和をもって尊しとなす。「聖徳太子 一七条憲法 第一条」
(わをもってたっとしとなす)
この言葉は誤解されている部分が多いと思います。
和とは争いのない状態ですが、太子の生きておられた時代は利害対立の激しい時代で、ともすれば争いのおこる恐れがありました。
ここで強調されているのは、お互いの違いがあることを乗り越えての相互理解の必要性を訴えたことだと思います。
独裁的に反対意見を寄せ付けないのではなく、自分の理想を持ちながら、それを実現するためには様々な人々の意見に耳を貸すというのが太子のお考えでしょう。そうでなければ一度に一〇人の話を聞くというお話も生まれなかったでしょう。
強権による平和や意見弾圧は、「和」ではないのです。本来的な調和をもたらすためには、お互いがともに大切であることを考え、お互いを尊重することが必要だと思います。
もちろん決断というのは必要であり、そこはひとしれず考慮すべきことがあるのですが・・・