経済金融研究所

日本の伝統精神を経済経営に生かす

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LSNow6月号原稿 巻頭対談 (20090519

経済金融研究所 代表 加藤比呂人氏

経済は心の問題・経営は人間の力日本の伝統的な精神文化を経済経営に生かす

今野 加藤さんは、どういう経緯で日本、中国、インドの古典を勉強されることになったのですか。

加藤 役所で仕事をしていたとき、日本が、巨額な経常黒字を出すのは、日本が閉鎖的で、文化的に異質の
   国だからだという論調がありました。私は、日本の文化は西洋とは異なったものがあるが、むしろす
   ばらしいものと思いました。日本人はこれに基づくのが正しく、日本がそれを生かしたから経済大国
   になれたのだと、このように考えて、伝統的な日本文化の源流に遡りました。また、会社の経営は最
   後には人間の力ですが、歴史によって研ぎ澄まされた古典は人間の力を形作っていくような力があり
   ますので、経済やを学びながら、その道へ行きました。

今野 当時はアメリカが日本の経営を学んでいましたね。そのアメリカが、経済、金融の世界のリーダーで
   あったアメリカが、今のような状態になったのは何が起こったのでしょうか。

加藤 お金が上手く生かされるように必要な所へ結び付けるのが金融の役割です。今回アメリカは上手く生
   かされない所に流してしまいました。お金を貸すのは難しいもので、誠実で能力の有る人達に流せ
   ば、良い効果が生まれます。しかし生産的でないところに無計画に貸してしまった。リスクは分散し
   ていて高くないと皆が考えたが、全部だめになったというわけです。

今野 かつて私はベンチャーとして、銀行からなかなか貸していただけませんでした。ベンチャーや信用力
   の低い方などのへの資金供与というのはどのようにお考えでしょうか。

加藤 社長のその後のご活躍を拝見すると、もっと積極的に応じるべきだったと当時の銀行の担当者は考え
   るかもしれません。ベンチャーへの資金供給は必要だと思います。そのためには金融機関には、経営
   者の人間性や将来性を含めた審査能力が必要です。企業側にも金融の知識や、企業の能力を表現する
   技術が求められます。サブプライムローンの問題は、借入3年後以降には年収以上の返済が必要にな
   るという、住宅価格が上昇しなければ破綻する、貸してはいけない枠組の下で貸付をしたことです。

今野 ノーベル平和賞を受賞した、バングラデシュのグラミン銀行は、貧困層の女性を主な対象とした小額
   融資を行って、ほとんど事故が無いと言われますが、その差は何でしょう。

加藤 グラミン銀行では人をよく見ています。信用を失ってはいけないという思いが借り手に強い。二宮尊
   徳先生の五常講と同じだと思います。

今野 私達は、一番大事なのは信用と考え、借りたものは必ず返すものと考えます。グラミン銀行から借り
   る女性も同じでしょう。それとアメリカの借り手との間に、お金に対する基本的なモラルの乖離を感
   じますが如何でしょう。

加藤 基本的には途上国より先進国の方がモラルハザードは少ないのです。しかし先進国でおきれば高度か
   つ複雑に発達している市場型金融の仕組みの下では影響が大きいということです。お金は人間の品性
   を高めることも、低めることもありますから、金融技術の高度化にともない品性を高めることが大切
   です。渋沢栄一、二宮尊徳、石田梅岩、山田方谷の諸先生方の考え方が参考になります。経済問題解
   決の鍵です。

今野 混迷の今、加藤さんは日本の精神文化と経済活動とを繋げて語られるので興味深いですね。

加藤 経済は心の問題が大きいと思います。数字も大事ですが、それだけに留まってはなりません。経済統
   計は静学的だが経済・経営は常に動いており、動かすのは人間です。辛い大変な状況でもへこたれず
   にやっていく人がいます。そのような人達には武士道的なものとか、日本の伝統的な精神文化に通じ
   るものがあります。

今野 今一番皆に伝えたい言葉は何ですか。

加藤 私の研究所の合言葉が「まこと あかるさ おもいやり」です。神道の清明心、儒教の仁、仏教の慈
   悲の教えを基にしたものです。私はこれを大事にしたいと思います。

今野 私が、苦境にあるベンチャーの人達に言った言葉が「生き恥を晒せ」です。倒産しても恥をかいて
   も、生きて、生きて、生き抜いて、立ち直って、また世のため人のためになる生き方を見つけること
   こそがベンチャーだから、生き恥を晒すことを恐れるな、と。

加藤 生き方が正しければ、失敗も将来役立つ智恵になります。そういう方々も応援したく思います。
   
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今野 是非お願いします。是非人を育ててください。

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