経済金融研究所

日本の伝統精神を経済経営に生かす

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江戸時代の浮世絵が西洋に紹介されたのは、輸出品の陶器をくるんだ包装紙としてだった、といいます。当時の西洋人にとってそれは衝撃でした。鮮やかな色彩、大胆な構図、西洋文明では見られない美の形態でした。

当時美術は王侯貴族のものであり、庶民が手軽にふれることはできませんでしたが、日本では木版印刷の普及により、一般でも入手は可能でした。(でも刷りのいいものなどはやはり高かったのでしょう。)

日本は当時の美術の水準としては一般の民衆まで広がっていたことが伺えます。

ただ、これは日本が豊かであったというだけではなく、ほかの分野に比較して美的なものに対する興味が高かったということだと思います。

ラフカディオ・ハーンが日本の道具の美しさをほめるところがありますが、調和の取れているものはなんでも美しいものだと思います。いまで言う産業デザインでしょうが、そのような意識がなくとも使いやすくかつ使って楽しいものは人々の心をひきつけ豊かにしていきます。

日本のアニメーションは世界で視聴されていますが、(著作権使用料が支払われているかは別として)やはり画像の美しさ、メッセージ性の高さは他の諸国のアニメーションと比較すると高いといえます。

いまデザインというのは大きな資産価値を有してきています。伝統的にすばらしい美的感覚を有している日本人はこの点有利だと思います。願うらくは産業界でもこのデザインや美術・芸術的なセンスを重視してきてほしいことです。

景気がよい時には日本の企業はメセナとして多くの芸術関係の支出をしましたが、将来日本が成長力を持続するのに必要な分野としてこのデザインという分野は欠かせないと思います。デザインはデザインとしてでは価値が明確ではありませんが、何らかの製品と合致することでそのすばらしさを認識することができます。その点、ものづくりで競争力がある今が貴重な機会だといえます。

美を純粋に追求するという態度はすばらしいと思います。芸術家も演奏したり、絵筆を取っているときにはお金をもとめるというよりは純粋に美を追求していることでしょう。しかしピカソやダリなどは巨額な資産を残しました。金銭的な満足がもたらす、すばらしさというのも美を生むひとつの要素でしょう。多くの資料を集め、多くの道具を用い、後顧の憂いなく美に専念できる環境というのも必要だと思います。

貧困から生まれる美というのももちろんあると思います。顔回などは貧困の中ですばらしい境地に達したことは事実です。しかし、貧しいすべての人が顔回の境地に達するわけではないでしょう。

しかし、ある外食産業の代表の方のお話を聞く限りでは、芸術関係の大学を卒業して、就職できる機会というのは日本では限られているようです。

多くすばらしい業績は何らかの喜びや楽しさから生まれます。貧困だったといわれるモーツァルトも現在の研究では十分な収入を得ていたようです。(それ以上に支出がすごく、その借金を返し終わるのはモーツァルトの妻が彼の死後お金持ちと再婚してからのようです。必ずしも悪妻ではなかったということでしょう。)

 経済・経営と美しさというものは案外重視されてきていなかった分野ですし、特に日本では研究はこれからでしょうが、大きな可能性のある分野です。美的な満足が経済的な成功につながるような社会を作っていくことが日本の将来のために大切かもしれません。

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混迷する日本経済経営を再度輝かせるには、過去に困難を乗り切った日本の思想に立ち戻ることが必要です。新しい問題も我々の源流から考えると本質が見えてきます。

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